このレビューはネタバレを含みます
鳥人間が人魚に導かれて、人形の踊る島へと紙の舟で渡る夢。
たったの3分32秒、無声でも伝わる物語。
非常にシュールな見た目の鳥人間。
物語は子供を死産してしまった夫婦の話だろうか。
鳥人間たちは中心の穴を囲うように座っている。
つがいの鳥人間たちは夜になっても寄り添い合う。
一体の鳥人間が夢を見る。
人形達はお腹の大きな女性の周りを踊る。
鳥人間は流れていく。星空の下、大海原を紙の舟に身を任せて。
空には鼓動が響き渡る。
まるで母親のお腹の中のように。
人魚に導かれて人形達の踊り狂う島に向かう鳥人間。
人魚のお腹には帝王切開のような縫い目がある。儀式のように踊り狂う人々のお腹にも帝王切開のような縫い目がある。
霧が立ち込める。その舟は霧に包まれて海底へと沈んでしまう。
夢の始まる前はつがいだった鳥人間が、起きてみると一人になっている。
もう一体はどこへ行ったのだろう。
冒頭、ずっと聴こえるのは重たい機械の音。葉の落ちた木々からなる森の中で人間達は何をしていたのだろう。
映画を感じる。
想像力を逞しくして―