真田ピロシキ

ラ・ジュテの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)
3.7
昔からヌーベルヴァーグはよく分からなくてこれも難解な映画だろうが30分だからと思って見たが面白くて二度観た。

全編モノクロのスチール写真とナレーションのみの構成というとても商業映画とはかけ離れた作品でありながら話はタイムトラベルSFでなかなかエンタメ性が高い。あの『12モンキーズ』の親とも言える存在らしくて、言われてみると類似点がたくさん。タイムパラドックスに関しては理解力が追いつかないので考えてもまともな事が書けそうにない。なのでその辺に言及はしないがこの映画はもう一つの要素である時空を超えたロマンスもなかなか一般受けの良さそうな内容。意外とエンタメ性あると言ってもやっぱり実験的なフランス映画なのでベタに熱い恋愛展開なんてのはないのだけれど、静止画1カット1カットの切り取られた瞬間を続けて展開されると心が非常に昂られる。難解なだけの実験映画じゃない。30分という短さも自分のようにストーリーを考察するために再鑑賞するのに適しているし、1時間以上あったら流石に寝てしまうと思うので妥当な所でまとめられていると思える。意外と言っては失礼だが結構サービス精神を感じられる。