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約束のネバーランドのMoDのレビュー・感想・評価

約束のネバーランド(2020年製作の映画)
3.0
右肩下がりの原作をジャンプ本誌と単行本で読了済。原作どうしてこうなった&ジャンプ実写は地雷、という絶望感を持ちつつ年末に会った友人がどうしても観たいというから斜に構えて視聴。
結果、とりあえず長い。あと、レイの滑舌が絶望的。とにかく、レイが、ヤバい。

全体としてのストーリーは原作通りで悪くない。時間がとにかく長いけど。
漫画実写でよくある、原色の髪色×日本人顔を何とかして、は多分に感じたもののエマ、ノーマン、ママ、シスター、ドン、ギルダ、フィオといったほぼ全員の再現度は良かった。

一方、レイの滑舌がマジで酷い。「ぎかんだぞ(時間だぞ)」等、同行者と顔を見合わせて声出して笑っちゃうレベルのセリフが多数。というかこの子役に一つも及第点な台詞はない。ニヒル役だけに酷い滑舌が余計に目立つ気持ち悪さ。

更に、わざわざ子供の出荷年齢を12から15に設定を変更して、エマとノーマンを及第点な形まで持って行ったにも関わらず、ニヒルなレイだけ童顔でめちゃくちゃバランスが悪い。

でも、この子が悪いとは言わない。演技は悪くなく、配役と演出を決めた大人が悪いな。一方でコイツ一体どれだけ大物の子なんだ?またはどれだけ大物に気に入られたんだ???という疑問が尽きない。それくらいこの子だけ酷くて、勿体ない。

エマ役はママに見抜かれて詰められてるシーンで目線がグワングワン泳いでて、凄いなと思った。滑舌無視するくらいのクソ映画なんだから別にそこまでやらなくてもいいのに。と素人ながら思った。


ところ変わって、ショックを受けたエマのシーンはやっちゃったな、という気持ち。
個人的に邦画の叫び声シーンが凄く嫌い。声を荒げればエモいという風潮は無くなってほしい。邦画の中の日本人と韓国の泣き女だけじゃない?ああいう叫び方するのって

直美は好演。原作の筋肉とは全然違う体型だけど原作同様勢いで持っていく力があった。
 
小道具、背景。
原作の洋風な作りに対して洋風になりきれていないところに違和感あった。調度品が和風モダン(明治・大正クラシック感)で、借りた洋館の調度品そのまま使ったでしょ?と思った。

あと舞台の植生が世界的にも独特な日本的過ぎるところ。ああも生い茂った上に見慣れた植物が並ぶのは日本だけなんだよなーと。あの世界は異世界なんだから変な植物混ぜるとかそういう配慮欲しかったなって。

最初に登場した鬼のCGはかなりいい感じだった。欲を言えば着足の後に塵とか砂埃を付けて欲しかったけど。
で、これと全く同じ動きをするCGを2回3回と見せられるのは、予算と技術を感じちゃって辛かった。同じテクスチャだとしてもせめて構図は変えてくれよと。

エマは膝を折られたのにギプスは膝関係ない脚部分に巻いてるなーと思って原作調べてみたら同じところに巻いてた。この映画の折り方が悪いのか??原作が悪いのか。

あと、内容的な意味で揚げ足とるなら.
原作の希望の光・ミネルヴァのヒントが「逃げろ」的な単語だけで雑すぎる&脱獄後の希望の光・ミネルヴァの拠点の説明が最後の最後まで出てこなくて雑過ぎる(フクロウが飛んでいく・ファンタジー過ぎる)ところ。ノーマン出荷とエマ脱出(別れ)のシーンがあまりにも、あまりにも冗長過ぎるところ。

映画としては微妙だけど変に端折らないドラマなら結構見れたかもね。滑舌以外は。
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