よねっきー

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのよねっきーのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

正直言って、期待しすぎた。こんな期待しなきゃ、失望することもなかったのにな…。

言わずと知れたド傑作アニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』を観たとき、おれは大興奮して「うわ〜これが実写の方でもできればいいのにね」とあらゆる人に話して回ってたんですが、それっていまいち正解でもなかったかもしれん…と今になって思います。

なんでこんな微妙な感想を話してるかというと、それはひとえにおれがマーベルスケべってより映画スケベだから、という部分に尽きます。色んなユニバースで喧嘩してたクモ男にトカゲ男にタコ男が一堂に会するのを見れたのはそりゃおれも素直に嬉しいけど、映画のテンポとか映像のこと考えた時に今回かなり調子悪くない?と心配してしまった。前作(FFH)が映画として完成度高すぎたってのはあるかもしんないけどね。

せっかく今までのヴィランが全員勢揃いしてるのに、最大の盛り上がりであるラストバトルの映像が余りにもショボい。これは多くのアクション映画にも言えることなんですけど、暗いとこで戦うなよ!!見えねえから!!昼に戦え昼に!!

スパイダーマンの魅力ってやっぱり、浮遊感のあるアクションと眩暈のするカメラワークじゃないですか。その点ドクター・ストレンジとの追いかけっこシーンとかはかなり楽しかったけど、せっかくエレクトロがいるんだからやっぱ『アメイジング・スパイダーマン2』の時みたいなネオンカラーが画面を疾走するアクションも見せてほしかった。Dr.オクトパスも良い役もらってはいたけど、もっとアクション方面で魅せてくれてもよかったんじゃないかと思う。ゴブリンとトカゲとサンドマンはまあ…あんなもんだよな。元々特に見せ場のないヴィランだもんな。おつかれ。

つまりおれが『スパイダーマン:スパイダーバース』を観たとき何に興奮してたかっていうと、あらゆるコミックのキャラがひとつの画面にいるというスマブラ的展開ではなくて、あの映像の新体験感に興奮してたんだと思う。もしくはあのハッピーなメッセージ性に。

「ヴィランを倒すんじゃなくて治してやろう」というテーマ設定はめちゃくちゃ良いと思ったけど、映画全体の雰囲気がかなりダウナーなので、ただただセラピー見せられてる感覚だった。最後まで哀愁漂わせやがって。おれはサゲたらちゃんとブチアゲてくれる映画のほうが好きです。エンドゲームのことだよ。
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