ぱいじ

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのぱいじのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

※mcuはドラマ含め全て追ってます。
ノーウェイホームってそういうことかよ、、、。
mcuのスパイダーマンは、単体作品としての評価とmcu全体の中での評価が乖離しがちなので個人的に難しい。4.0は単体での評価で、mcu全体の中での評価だと衝撃度がでかいので4.5 くらい。

というのも、本作の要素って
・ピーターによる、自身の行為が招いた災いの尻ぬぐい
・その結果としてのピーターの喪失と人間的成長
・mcu本筋におけるマルチバースの導入

だと思うのだが、3番目のマルチバース導入は飽くまでmcu全体で見た時に重要な要素であって、単体作品で見れば一応ピーターの代償によって今回の騒動は終わっているので、この要素は単体作品としての評価には含められない。

したがって、上2つの要素が4.0の評価の由縁だが、まあはっきり言ってこの部分の脚本に不満がある。というのも、ストレンジの魔法失敗により大変なことが起きた!→騒動の収拾にピーターが奔走、というアニメの一話のようなコミカルな始まりに対して、結末がメイおばさんの死とピーターが記憶から無くなるというあまりに残酷な結末で、この対応関係がどうも個人的に釣り合っていない気がする。まあそういう意味では、軽い気持ちでやったつもりが大変な結末を招いた、、、という現実味のある話と評価できなくもないが。

それでも4.0をつけたのは、説明するまでもないがmcu内外とのコラボによる激アツ展開が続いたからである。だが、想像してほしいが、もし今回の話を過去のスパイダーマン映画をまったく見たこともない人が見たらどうだろうか?ほぼ感動はなくなってしまうのでは?もし自分がそうだったら、「平凡な展開」として3.0程度を付けていただろう。

つまり何が言いたいかというと、本作は、殆ど「mcu本筋へのマルチバース概念の導入+スパイダーマン過去作とのコラボ」だけで構成されており、流石にピーターの内面の物語を全く無視するわけにはいかないので、脚本上で安直にメイおばさんを殺すことでピーターの憎しみとその超克を一応描いた、、、という風に映るのだ。これはピーター自身が痛感していることだろうが、自分のせいで呼び出された別ユニバースのグリーンゴブリンにメイおばさんを殺されるというのが、正直個人的にどうにも納得行かない、やるせない。

ということで、mcuや過去のスパイダーマン映画を追ってる人は楽しめるが、この一本だけ見たらあんまり完成度高くないなあ、という印象。ちゃんと一本のmcu版ピーターの物語として、盛り上がりを別にユニバースのピーターに頼りすぎずに、もう少し独立した物語を描いてほしかったな。誰も新しい敵出てきてないしね。