ぱいじ

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのぱいじのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

人は、争うことでしか学べないのか。

一体どんな落とし所になるのかと思っていたけど、まあ、それしかないわな。

両陣営の善悪をはっきりつけられないところや戦争の起こり方はとてもリアルで見応えがあり、戦争の一部始終をとても丁寧に描いていた点はとても評価できる。チャドウィック・ボーズマンの追悼映画という側面も強いので無駄なギャグが少なくシリアス調に展開したのも、戦争という本作のテーマと馴染み良い。最後まで見ると意外とシュリにも感情移入できるようになったのも、いい意味でサプライズ。あと、ブラックパンサーシリーズはソーのなんちゃって王族物語と違って(というか、もうアスガルドの主要人物がソーしかいないのでちゃんとした王族の話を描きようがないのだけど)、きっちり王家やその他の部族の関わりを描いてくれるのが面白いね。

ただし、決定的に違和感があるのはアメリカ
の科学者の子が普通にスーツで戦えてるのと、ネイモアがちっちゃい羽だけで高速飛行してる点。まあ、大した戦闘訓練を受けてないはずのシュリがちゃんと戦えるのもたいがいではあるんだけどね、、、。いや〜アメリカの子は本当に不要だった。あの役をここまで取り上げる必要性が全くわからない。原作で出てくるのか知らないけど、映画のいち視聴者としては残念ながらただのノイズ。

そして、鑑賞しながらずっと本作のテーマを考えていたけど、結局は両陣営のトップ同士の私怨の決着がトリガーで両国の民に和平がもたらされると要約することができてしまって、それで決まるならそれまで流れた血は本当に無駄だったなと。いがみ合ってる勢力は、一度血が流れない限りは休戦に持っていけないのか?本作から感じた個人的なテーマはその疑問であり、的外れかもしれないが、近年のウクライナ問題と重ね合わせ、戦争回避の方法は何か無いのかという点に興味が湧いた。