こんなに派手さのない映画でしっかり魅せるんだからやっぱりライカートって格好いい ドーナツが出来上がるまでの退屈さ(大学の講義のような噛めば味のする退屈さ)すごい 経済の映画って基本ドライでゲーム感覚なところが好きだけどことの始まりが慈愛を湛えた美しいお目目の牝牛ともなると途端に貨幣が温もりを帯び始めるようでなんか不思議な気持ちで見てた あと飼い猫のメスの方と牛のお目目がそっくりでたまらなくなった 虚無と慈愛が同居するあのまなざしを人間目線でちゃんと撮っててやっぱり動物を撮るのがほんとうに上手い
Old Joyと同じく男ふたりの物静かな友情モノと言えばそうだけどこのふたりの間には焦げつくような性欲(あるいはそれに似た制御不可能な欲求)みたいなものはなくて切実さ厨のわたしにはすこし物足りなかった あと序盤に結末が明らかになるやつってどうしても気が散ってあんまり乗れない 何もわからないところに連れて行かれたい
