『イングロリアス・バスターズ』の脚本を見ながら書いたのかと思うほど、キャラクターや展開、仕掛けなどが似ているが、なんで二つの作戦が平行して同時に偶然起きるんだよというツッコミどころなどをすべてなくし、しっかりとブラッシュアップされている。タランティーノなりのジャンル映画の再構築ながら、正統な西部劇ではなく、あえて血だらけの復讐劇であるマカロニウエスタンを選んでるあたり(しかも、同じセルジオでもコルブッチの方)、分かってる男だと思う。ダイアローグだけでストーリーを運び、それがサスペンスになっているなど、前作と変わらない手法だが、もしかしたらタランティーノは自分なりの方程式を新たに見つけたのかもしれない。2時間45分の間映画的な快感が持続しつづける大傑作。『続・荒野の用心棒』、『殺しが静かにやってくる』、『マンディンゴ』を観てから観にいくことをおすすめ。