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返校 言葉が消えた日のazmのレビュー・感想・評価

返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)
4.0
1962年、国民党の独裁政権下の台湾で暮らす主人公のファンが教室で居眠りをし、目を覚ますと校内から人がいなくなっていた。ファンは人気のない校内を進むなかで出会った男子校生のウェイと共に学校を出ようとするが……的な感じ。

たびたび起こる怪奇現象や定期的に現れる不気味な存在よりも独裁政権による支配の描写がめちゃくちゃ怖かった。そして話が進むにつれて恐怖よりも切なさや悲しさが増していく。

不気味な存在といえば死んだ人が麻袋のようなものをかぶってるのが怖かったね。単純に見た目が怖いとかではなく、本当に捕まって拷問を受けた方々や殺されてしまった方々がこういう姿にされていたのかもしれないと考えて怖くなったというか。

こういう歴史があって今の台湾があるということを忘れないようにしたい。

印象的だったのは主人公のファンに先生が言った「君は間違ったことをしたが、私たちを殺したのは君ではない」的な台詞(うろ覚えなので厳密ではないかも)。
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