いなだ

罪と罰のいなだのレビュー・感想・評価

罪と罰(1983年製作の映画)
-
原作読了記念に観た。ストーリーを改変しつつ簡潔にまとめられた93分で、原作ではあんなに多い登場人物のセリフがかなり少なく、演出も抑えが効いているように感じた。主人公の殺人と天才についての熱弁や、周囲の人間の彼を思う気持ちなどといった描写がこの映画では削ぎ落とされているので全体的に冷たい印象を受け、ニヒリズム的な面が強く押し出されているように感じた。名もなき友人(ラズミーヒンがモデル?)が妙に心に残った。
最初と最後に湿っぽいラブソングのような曲が流れる、主人公が肉屋で働いている、車が走る夜景が何度も映し出される、という原作ではありえない設定や演出が面白かった。

初アキ・カウリスマキ映画だったけど、ブレッソン好きとしてはかなーり好みだった。他の映画も観たい。
いなだ

いなだ