Amber

きみの瞳(め)が問いかけているのAmberのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

『風よ あらしよ 劇場版』を映画館で観る前に、吉高由里子の出演作品を何か観たい。『サイレント・ラブ』をこの間観たが、目が見えない女性を吉高由里子も演じているので、『きみの瞳が問いかけている』を観ることにした。

『きみの瞳が問いかけている』はもっと古い映画かと思っていたが、2020年の映画だった。直前に観た『スティーヴン・キング エイジ・オブ・パンデミック』と同じ年の公開だったのだった。

浜辺美波は目が見えない女性を見事に演じていたが、吉高由里子はどうか。黒眼が動き過ぎている。目が見える人の演技だと、黒眼がよく動くのは、表情が豊かな演技に見えるが、目が見えない人の演技は普通、黒眼を固定するのが定番だ。身近に目が見えない人がいないので、よくはわからないが、黒眼がしきりに動くのは、目が見えているからこそではないのか。

その後、吉高由里子演じる明香里は完全に目が見えないわけではなく、ぼんやりとは見えていることが判明。それとも視力が回復してきたということだったのか。ぼんやりとでも見えていれば、黒眼はしきりに動くのだろうか。そういったことに関係なく、吉高由里子は無意識に目の演技をしてしまっていたのではないか。目の見えない人の黒眼は実際はあまり動かないのであれば、吉高由里子の演技力がかえって仇となったということだろう。

明香里の住まいは長い階段をのぼり、さらにマンションだかの階段までのぼったところにある。目の見えない人がこんなに階段の多いところに住むだろうか。それとも主任がかってに明香里の部屋の玄関ドアをあけていたというのもあるし、この住まいは社宅なのだろうか。塁が明香里の部屋をバリアフリーにするなどしていたが、社宅だったら勝手に部屋を改造できないだろう。立ち退きを要求されていたので、そういった部屋は社宅でなくとも改造は禁止されているのではないだろうか。

前半は目の見えない人の恋愛もののありがちな展開かな、と思って観ていたが、後半はネタバレ設定でも書くのが憚られるような展開で、書いたら決定的なネタバレ、大いなるネタバレになってしまう。以前もレビューで書いたが、観ていなくとも、ネタバレ設定を開けてしまう人もいるだろうから、やはり書けない。
遠回しな書き方をすると、因果応報、因果は巡る、塁は二度地獄の責苦に苛まれる。塁の心の変遷は地獄→天国→地獄→天国、といった後半の内容だった。前半はわりと平凡で、気になる点もあったが、観終わってみれば、すごくいい映画だった。

吉高由里子のボクシングの真似は可愛かった。

吉高由里子が歌を口ずさんだり、鼻唄を唄ったりすると、『ミンナのウタ』の呪いのメロディーに似ていると思ってしまう。他の映画でも歌を口ずさんだり、鼻唄を唄ったりすると、そう思ってしまう。『ミンナのウタ』症候群といった感じだ。

『サイレント・ラブ』にしても『きみの瞳が問いかけている』にしても、ヤクザ的な人たちに巻き込まれて、二人の恋がおかしなことになっていってしまう。明香里の目が見えるようになったら、今度は塁が口がきけなくなってしまう。それともラストのシーンから推測すると、声を捨てたのか、『サイレント・ラブ』の蒼みたいに。今気づいたが、蒼と塁、彼氏の名前が漢字一文字というところも共通している。

監督は三木孝浩。Filmarksの三木孝浩をタッチして出てきた作品群は観たい、観たかったという作品ばかり。出口夏希出演の『余命一年の僕が、余命半年の君に出会った物語。』、原作を2回読んだ『夏への扉』の日本版、浜辺美波出演
の『思い、思われ、ふり、ふられ』、広瀬すず出演の『先生!、、、好きになってもいいですか?』、ドラマ版では出口夏希が出演している『アオハロイド』、越谷に縁のある越谷オサム原作の『陽だまりの彼女』、この間から観よう観ようと思って観れていない浜辺美波や上白石姉妹が出演している『空色物語』、吉高由里子主演の『僕等がいた』、前から観たいと思っていた浅野いにお原作(浅野いにお原作といえば、幾田りら(私が今はまっているアーティストのツートップは大原櫻子とYOASOBI)とあのちゃんが声優を務めている『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』は映画館で観る予定だ)の『ソラニン』。これらは全部、今後順次観ていきたい。

2024年の映画鑑賞はこれで26本目。
Amber

Amber