ゆう

水曜日が消えたのゆうのレビュー・感想・評価

水曜日が消えた(2020年製作の映画)
4.0
中村倫也さんの演技力が神がかっている!
生中継舞台挨拶付き上映を鑑賞。

この映画では少年時代の交通事故の後遺症で曜日ごとに人格が変わる。つまり7人の性格も個性もバラバラな人格を1つの身体でシェアして生活している"ぼく"の火曜日の視点で描かれてゆく。
とても丁寧に作り込まれているのが感じられて、良い映画だったと余韻が残る。
とあるシーンで事故から16年か。と言われたぼくが、2年と4ヶ月です。みたいなやり取りをするシーンがあって、だから火曜日の性格の子供っぽい感じとか、水曜日を体験してはしゃぐ姿は歳をとっても中身は子供なんだなと、セリフから感じられて印象的だった。

なぜ水曜日は消えたのか?とサスペンス要素もしっかりありつつ、月曜日と火曜日のキャラの違いのギャップも素晴らしかった。
各曜日が付箋を使ってやり取りするのも素敵なアイデアで、軽口を叩きながらも互いに相手のことを思いやっていて、どこまでも優しい世界だった。

エンドロールもしっかり観て欲しい。

観た後に自分自身を肯定してあげたくなる。シンプルなメッセージ性が良い。
ドラマティックな日常じゃなくたってささやかな日常の一日一日を大切に過ごしたいと思えた。
ゆう

ゆう