ゆう

ある男のゆうのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
4.5
日本アカデミー賞最多8冠受賞おめでとうございます🎉

助演はそれぞれ取るだろうと確信していたので、名前が呼ばれた時は本当に嬉しかったです。特に安藤サクラさんのスピーチは泣いてしまいました。柄本佑さんとの微笑ましい夫婦のやり取りにもほっこりしました。

さて、久々の投稿ですが、こちらの作品去年鑑賞していました。
アカデミー賞で受賞したこともあり、こちらの作品を今年初投稿と致しましょう。

再婚した旦那が亡くなった後に知る事実。
別人だった彼は一体何者だったのか?
国籍、出自、人を判断する材料に使われる変えられない事実。そこにある偏見や差別から逃れられない境遇の者は別の何者かになりたくて、真実を隠して生きている人もいるのだと痛感させられました。本当の真実を知った時、それでも愛する夫を信じ続けられるか?

安藤サクラさんの冒頭にみせる涙のシーンが印象的で、万引き家族の時にも思いましたが、涙の演技にも様々なアプローチがあることにやっぱり役者さんは凄いと感じました。
もちろん他の俳優陣も名だたる演技派揃いで、それぞれが抱える哀しみや怒りに葛藤しながら生きていく様を繊細に演じられていました。
特に窪田君の優しい夫の姿と得体の知れない不気味さの演じ分けが素晴らしかったです。

人を信じる材料はその人の生きてきた境遇よりも一緒に過ごしてきた時間にどう接してきたかだと思う。窪田君演じる谷口が生きた人生は決してずっと不幸だったわけじゃないと信じたい。

ラストは観客の判断に委ねる展開に鳥肌がたった。
ゆう

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