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野球少女のdm10foreverのレビュー・感想・評価

野球少女(2019年製作の映画)
4.1
【ガラスの天井】

当初は、この「あまりにも・・・」な邦題に全く触手が伸びなかったのですが、そもそも原題が「Baseball Girl」だから、これ以上つけようがなかったのか・・・という理解と、ジャケットのイ・ジュヨンの凛とした表情がなんとも印象的で、段々と気になりだした作品。
気がつけば公開初日に鑑賞しているという・・(笑)

鑑賞前は殆ど予備知識もない状況で挑んだのですが、これが実話なのかフィクションなのかも知らず、ただ漠然と「野球が大好きな女の子のお話しかな」程度の印象でしたが・・・。

この作品は色んな表情(描き方)を持っていて、それこそ表面上は「青春スポコン映画」のようにも見えますが、「韓国のお国柄」や「プロスポーツ全般の根本的な問題」など、実は深いテーマにも向き合っている、なかなか馬力のある作品です。

どんなに頑張っても、どんなに才能があっても「見た目」や「性別」を理由に、スタートラインにすらたつことを許されない人がいる。
それは何も女性だけに限ったことではないのかもしれない。
男性だって運やタイミングなどが噛み合わずに夢を諦めてきた人は数え切れないくらいにいるかもしれない。そして、そういう思いをしてきたのは圧倒的に女性のほうが多かったのかもしれない。

『本人が「出来ない」と言っていないのに、周囲が「出来ない」と決めるのはおかしい。』

これは、人種も国籍も性別も年齢も問わず、無意識のうちに「固定観念」という名の鎖でガチガチに縛られている人にこそ届けたい言葉。
この映画を見て何を感じるかは人それぞれだけど、背中を押される人はきっといると思う。

あと、感じたことをいくつかネタばれコメ欄にて。
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