夏休みに実家に居候する一家の日常を固定カメラ中心に淡々と描いてて、驚くほど地味な作品。そのほとんどが娘のオクジュ視点で進み、食べることが生きることの象徴と言わんばかりにやたらと食事シーンが出てくる。これが後半の死のエピソードと対比されて、観てる時はちょっと退屈だったんだけど後からジワジワきた。こんな小ぢんまりとした空間に人の世の常をサラッと描き出すのはなかなかすごいことなのかも。
思春期のオクジュが感情を抑圧しててほとんど無表情なのが「はちどり」を思わせる。弟と喧嘩ばかりしてるけど本質的には仲が良く、これが父親と叔母の兄妹関係と並行して描かれてた。
登場するエピソードはほんとたわいもないもので、年頃の娘の整形手術願望、母親嫌悪、シャイなボーイフレンド、ちょっとボケが始まってるっぽい祖父とか、日常の細々したことが淡々と積み重ねられていく。
ラストでそれまでの心の抑圧を取り払うかのようなオクジュの演技がすごくて、ここでセリフが一切ないのが良い。
「夏時間」といえば、CLANNADアフターストーリーを思い出したね。
