Sachika

羊飼いと風船のSachikaのレビュー・感想・評価

羊飼いと風船(2019年製作の映画)
3.8
村人たちが見上げる空は青く広く、どこまでも繋がっていて、飛んで行く風船なんてちっぽけなのに、みんな同じものを見ている。
その表情はそれぞれだけど…。

チベットの家族と家畜の羊、何かに縛られて生きる者を通して、革新と伝統の狭間で生きる事の、難しさを知る。

家族が幸せに生きていく為の選択、という根本は同じはずなのに、どうしてこうも捻れてしまうんだろう。
女性は、母は生きづらい。
女性目線で見て 心が苦しくなる部分もあるけど、「伝統」の中で生きてきた男性にも考える事はもちろんある。
彼らに愛があるからこそ、その言葉や仕草は時に残酷に見える
柵の中で生きる家畜と、決められた政策の中で生きるチベットの人が重なる部分がなんとも言えない。

チベット映画祭もある様なので、また何かしらチベット映画を観てみたいな!
それからパンフレット、表と裏の「風船」が違うのが好きです。
(中身もイラストたっぷりで読み応えがあるのでぜひ◎)
Sachika

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