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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のKHのレビュー・感想・評価

4.1
映画の感想を書くのがとても久々になってしまったのは、夏に子供が生まれたので、コロナ真っ最中の頃は呪われた様に映画を見ていたが、ここへきてやっと劇場に足を運ぶことができた。
その久しぶりの作品が世間で爆発的な話題となっている『鬼滅の刃』であるのが少しミーハーな気もしないでもないが、それはとんだ誤解であり、とゆーのもアニメから今作のファンになったという人達に少なからずマウント取れるポジションな訳で、僕はしっかり一巻が発売された時からのファンであるとをここで言っておきたい。

むしろアニメが始まる2〜3年前より『鬼滅は来る』『鬼滅は来る』と、それこそ呪われた子供のように繰り返し周囲に吹聴していたが、当時は誰も聞く耳持たず、
挙句にはアニメが流行ってから逆に僕に『鬼滅の刃って知ってる?』と、とんだ逆アップをかまされて、コイツ脳が死んどるんか?と思った次第であります。

ちなみに、そんな僕は一年くらい前から『今度は呪術廻戦だ』と言っておりますが、やはり周囲の反応は『ふーん、ほーん』と記憶にも残らなそうですが、きっと来ると思います。本当に、いやこれ本当に。


という訳で、前置きが長めなのはここからが本題というか、作品の感想、そしてネタバレになりますので、まだ作品を見てない人は戻っていただくとして、


作品の率直な感想を一言で言えば、

「文句なしの良作・アニメを見ていれば面白さは数倍」です。


機会があればしっかりアニメ版を見た後に観にいくことをお勧めします。
と言うよりは、アニメ版を見てないなら見に行かなくても良いです。

ここからはガチのネタバレです。
今回題材となったのがアニメ版のラストで無惨様より追加の血液を分けて貰った十二鬼月が一人、下弦の一『魘夢(えんむ)』との無限列車内での戦闘をメインミッションとして進行していく、
(面倒いので以降エンム)

その中でこれまたアニメ版では殆ど一言二言くらいしか出番のなかった鬼殺隊の炎柱『煉獄杏寿郎』との共闘、

更にラストでは上弦の三『猗窩座(あかざ)』とのバトルと展開していく。
(面倒いので以降アカザ)

ここまでの内容は無論、漫画で読んでいるので知っております。

またジャンプ映画に有りがちな、本作とは全く関係もないアニオリの様な余計な展開もなく、
また、『僕、映画から見始めた』という不届き者には決してわからない様にそれまでのあらすじなんかを数分割いてやったりもしません。なので、アニメからの視聴を強く推します。

本当にアニメのラストから続きがスタートするので1秒も無駄話をするつもりがない姿勢に僕は既にニンマリ。
また冒頭から背景が実写さながらの綺麗さに驚かされる。

ジャンプ作品でストーリー物と言えば一話が確か19ページとかなので無駄なシーンを限りなく削りに削るのだが、
そのせいか戦闘シーンの動きなどは作者の癖もあるが、少しわかりづらい部分があるのが否めない。

それがアニメ化することで身体の動きが鮮明になり細かな部分までがわかりやすくなってるのが嬉しい。
例えばエンムに催眠術をかけられる際、その解除の方法として『夢の中での自決』があるのだが、漫画ではやはりそのシーンはあくまでもコマで描かれているので、炭治郎がどれだけとんでもないことをやっているのかが薄く感じるが、映画ではエンムがビビりながらそれを説明してくれるプラス、フラッシュ的に炭治郎が首を実際に切る映像が出るので、
炭治郎のいかれ具合がより伝わるのが素直に漫画ファンとしても嬉しい追加シーンと言える。

そんな具合に、今作ではライトのファン層から僕の様な古参の漫画ファンまでもを同時に唸らせる内容なのは言うまでもなく。
エンム戦だけでも充分満足だったが、さらにこの後、アカザまで来てくれるって言うもんだから僕はもう堪らんですよ。

また映画として、この無限列車編がいかに優れているかを説明させてほしい。そもそも漫画原作をそのまま劇場版にするのは、ワンピースのエピソードホニャララを除いては実は初の試みだったんじゃなかろうかと思う。アニメの進行具合にもよるが、
この無限列車編では敵を二段構えに据える事によりしっかりと炭治郎と他三人の活躍も描きつつ、その後にさらに強大な敵が登場する事により、煉獄さんの活躍を同時に演出する事が出来るのです。
というより、同じくらいファンの友達とも話したが、劇場版にするにはその後に控えてる遊郭編などは釈的に難しく、やはり映画の枠に入れるには単行本2巻分の尺が限界なんだなと思い知った。

またずっと列車内でのシーンばかりなので変わりばえしない絵面になるかと思いきや、
各キャラクターが転々と夢の世界に移ることでそれを解決させ、
エンムを倒してからは列車は止まり、開けた場所での頂上決戦。

もちろんその戦いの結果は知っているはずなのに、ついうっかり煉獄さんに
『がんばれ、負けるな』と思ってしまうのはおそらく声優二人の演技力の賜物である。

そこから煉獄母の登場辺りから泣くのを我慢している自分がいることに気づく。

ただ僕は、この映画は『泣けるから見ましょう』とは言いません。
なるべくなら泣くのを我慢しながら見てくださいと言いたい。
まぁ泣いてしまうと集中力が切れちゃうので、最後まで全集中でいきましょう。

まぁ他にも語らせたらあと5000文字くらいは軽く書けそうなので、この辺で終わりにしょうと思います。しっかりとパンフレットまで購入させて貰いました。

この劇場版が生み出す興行収入により続編があるであろうアニメの二部の宣伝効果としても十二分に機能しており、続きが気になる方へのコミックス売上にも多大なる影響があるかと思いますが、それが今からも楽しみで仕方ありません。
次は俺の大好きな遊郭編。はっきり言います。鬼滅の刃はここからが面白いんです。

点数がそこまで高くないと感じる人もいると思いますが、これはあくまでも映画単体としての評価、また原作を知っているからとの結果なので、この点数にさせて貰いましたが、間違いなく良作と言えます。
オススメです‼︎
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