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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のKHのレビュー・感想・評価

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
3.7
2024年度の年間ノルマ70本中35作品目。
見させて頂きました。

その存在自体は知っておりましたが、この度Amazonプライム様が配信をしてくれたので早くも視聴という流れでございます。

また、『ゲゲゲの鬼太郎』作品に関して言えば、実は結構疎いかもしれません。
というのも、僕の中での鬼太郎の声優は野沢雅子の時代までであり、それが一体いつの時代だったのか、
確かEDは吉幾三の『お化けがイクゾー』とかだった様な気がしておりまして、
現在のテレビシリーズの沢城みゆきさんの鬼太郎は正直見ておりません。

ただまぁ別に予備知識としてある程度知ってれば良いでしょという軽い気持ちで見始めました。

まずはネタバレなしの率直な感想をば述べます。

『鬼太郎を知ってようが知っていなかろうが、全然関係ない作品でした。所謂、鬼太郎誕生の前日譚とでもいうのか、
また、この作品が実際に水木しげる氏の描いた原作があるかも知らないのですが、その辺も後半調べてみたいと思いますが、
兎にも角にも、非常に良い作品でした。
アニメ映画らしい素晴らしい背景描写が特に目を引きましたのは、多分キャラクターがある程度デフォルメされたキャラなので余計そのギャップがはっきり分かれていた様に思います。
特に良かったのはストーリーで、本当によくできていたと思います。なんというかこの作品をきっかけに非常に鬼太郎という存在を好きになれた気がしております。
まだ見てない方はこの機会にぜひ、お勧めできる一本です。』


また、ここから先は作品のネタバレを含む感想になりますので、まだ見てない方はご注意を、またこの作品を見た後にすぐに
『墓場の鬼太郎』の1話を見ましたので、そちらも併せて語りたいと思います。


やはりなんと言っても、背景描写。
トンネルを抜けた先、そりゃあとんでもない暗く陰気な場所なのかなと思っていた哭倉村の田園風景というか、そこに広がる湖?だったり街並みも本当に素晴らしかったです。

また、龍賀家の屋敷に入ってすぐに、廊下の上の方にちらっと映る何か白いモヤの様な手が出てきたりと、作中でかなり細かな描写をしている部分も併せてとても良かったです。
また、上でも言った様にキャラクターにリアルさがむしろないので襖や屏風に描かれた絵なんかとのギャップもかなりあって
そこがむしろ不気味というか、
よそ者の水木が入ってきた時に、じっと見つめる村の人間たちの目線なんかは、アレこんなキャラデザなのにちゃんと怖いぞとびっくりしました。

また、ストーリーがお家騒動というか、跡目争いから派生する利権争いみたいな、多分誰かも言ってたかもしれませんが、犬神家的な空気感が非常に良かったです。
まぁ最終的には典型的な『本当に怖いのは幽霊や、妖怪ではなく人間』というありきたりな着地ではあるものの、
一癖も二癖もある龍賀家の人たちもキャラが立っていた様に思います。
また、そのストーリーの背景に水木が体験した戦争の経験などが良い意味で拍車をかけていたと感じました。

個人的には『幽霊族』などがなぜ存在してるのかはわかりませんが、搾取される側だったのは非常に不憫と思いつつも、
きっと出会い方が違えば水木とゲゲ郎の様に良い関係が保てていたのではと思います。


また、エンドクレジットではこれが実際に水木しげるが描いた漫画なのかはわかりませんが、まんま墓場の鬼太郎の1話に繋がるお話というか、それがもし知ってる人から見たらかなり痺れる展開だったんだろうなと思いました。

エンドクレジットで流れていた曲はどこかで聞いたことがあるというか、
確か『カラン、コロン、カランカランコロン』から始まる歌で、
そこまで鬼太郎自体を知らなかったですが、
この曲はなぜか聞いたことがあり、小さい頃の記憶が蘇ってきた様な気になりました。

最終的に鬼太郎は浮かばれずに彷徨える魂となった悪霊?むしろあれも狂骨?
をずっと成仏させる様に行動していたことがわかるラストも個人的には良いラストだったと思います。

今回はこの辺にします。
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