日本人7人を含む、20人が犠牲となった2016年のバングラデシュ・ダッカのテロ事件をベース（あくまでもベースで大半はフィクション）にした作品。次に誰が殺されるか分からない緊張感に満ちた86分をまさかのワンカットで撮るという、なかなかの酔狂ぶり。
お祈りの時間ですけど、あなたたちは祈らないの？だし、独身女性に結婚をしない理由を問い詰めるくだりといい（婚約者のスマホチェックもひどい）何ひとつ正当性の見当たらないテロリストたちの極端な思考と行動には腹立たしさしかないけれど、今この瞬間を相手はどんな顔をして聞いているのか分からない演出や、本来イスラム教とは素晴らしい教義を持つ宗教であることを知らしめるラストには皮肉さと同時に希望も込められているように思う。
なかなか小技が効いた脚本であるけれど、この展開にしたいがために事実を変え過ぎな気も。実際は夜の9時頃に起きた事件を午後にしてるのはさすがに無理がありすぎる（ラマダン中の日没前、いくら外国人相手とはいえ、昼の商談は避けるのでは）。
