yoko45

夕霧花園のyoko45のネタバレレビュー・内容・結末

夕霧花園(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

 先が無いことは分かっていた、悲しみ苦しみが癒えないのも分かっていた、信じるまでに長い時が要ることも分かっていた。
 人の気持ちと自然の景色は絶えずうつろい、それぞれの終わりを迎えるまで記憶は交錯する。
 一方が余白を残し、もう一方がその意味を見いだす。どちらかが私でどちらかが貴方。

 舞台はマレーシア。あまり観たことがない作風で新鮮に感じました。
 日本軍の乱暴野蛮な行為、その描き方が観ていてとても辛い、それとは対照的に山の淡い緑、深い緑が苦しみを一時忘れるほど美しいです。
 阿部寛さん、魅せてくれました。日本人が話す英語でしたが、戦争が終わっても国に帰らない日本人庭師役なので問題なし(英語圏の方が観たら違うかも)。抑えが効いていてヒロインとも上手く共演していました。
 造園、借景、刺青、埋蔵金、はじめは?なんで?な場面も最後は愛の証として束ねられていく、なかなか良かったです。

(HPより)
 日本ではあまり語られることのない第二次世界大戦におけるマレーシアの歴史と共に、一組の男女の切ない恋が紐解かれていく。物語は亡き妹の夢である日本庭園造りに挑んだヒロイン・ユンリンと日本人庭師・中村が出会ったことで動き出す。キャメロンハイランドの美しい景色を舞台に、日本軍による占領という主従関係にあったマレーシアと日本という国の因縁を超えて惹かれあう二人だが…。戦中の1940年代、戦後の1950年代、1980年代からなる三つの時間軸を通して描かれる
yoko45

yoko45