ふう

ディアスキン 鹿革の殺人鬼のふうのレビュー・感想・評価

3.9
"死のジャケ狩り"

パッケージのあおりがあまりに魅力的すぎる!
これはもうオッサンがヒャッハーしながら夜な夜なジャケ民をKILLしていくポップコーンスプラッタだろうな✨🔪✨

…そんなことなかった(´・c_・`)

開始早々洒落オツなロードムービー的な雰囲気に、惨殺祭りへの期待は削がれ、完全にB級映画のテンションだった私の心は悲しみで満ち溢れた。
フランスだもんね。
でもアートな気分じゃないんだけどな。

見始めたものはしょうがないと、諦めつつ進んでいくと…どうもおかしい。
オッサンのおしゃれな自分探しと旅先での淡い恋の話ではあるのだが…
これは…私の好きな…
最初から主人公の頭がおかしいやつだ‼️
しかも完全自覚のないやつ‼️厄介‼️万歳🙌

おしゃれ映画を装いつつ、どんどんオッサンの狂気が濃くなっていく。
オッサンの装備が増え、オッサンの夢が膨らむのと比例して、オッサンを取り巻く状況は取り返しのつかない方向になっていく。
唯一の良心だったはずの登場人物まで何故かオッサンワールドの住人になっていく。

いつからオッサンはおかしくなったのか?
オッサンの過去に何があったのか?
あの男の子はなんなのか?
何一つわからないまま、物語はふっと終わる。

ああ、これはホラーでもスプラッタでもなかった。

これは、ファム・ファタール(鹿革100%)と出会ってしまったオッサンの壮大な愛の物語だったのだ。
ふう

ふう