ラブクラフトの『宇宙からの色』何本か目の映像化作品になるが、80S風味を現代世界に落とし込んだ作風がとても好感触。スマホやPCは無くてはならないものである今、それらが使えないというだけで不安材料になる。ピンクとブルーの極彩色はその画としての強烈さはもちろん、合わされば紫になる。紫は情緒不安定を現すともいう。これもまた中盤から一気に畳み掛けるような不穏さに一役買っていたと思う。そう、序盤はお気楽なB級ホラーかと思っていてのんびり観ていたが全く見当違いで(この作品はG指定である)監督の本気を見せつけられてしまった。途中のある展開は正直小さい息子がいる身としては若干、いやかなり気分が悪かった。ホラー好きとしては躊躇なく全て見せつける姿勢はとても評価できるのだけれど。
あともう一点、いやこの映画最大の魅力と言って差し支えないかと思われるが、ラヴィニア役のMadeleine Arthurは紫のメッシュを髪の毛に入れサタニックな音楽や服装を好み自らも黒魔術的な儀式を行うなど、この映画のアイコニック的な存在としても、そしてただ単純にとっても可愛かった!