【もったいない】
中国の消防士版「海猿」みたいな感じって言えばいいのかな？
ストーリーは至極単純で、石油化学コンビナートの大火災から街を守れ！っていう、文字通り「熱い」作品。
…なんだけど、色々と要素を詰め込んだ挙げ句「不完全燃焼」を起こしてしまったというちょっと勿体ない作品だった。
映像スケール自体はかなり頑張ってる方だし、炎のCGも迫力はあった。
ただそこにやたらと個人をクローズアップするようなエピソードを挟みたがるので、折角の大規模火災の凄惨な状況っていうのが徐々に薄まってしまうような感じがした。
個人をクローズアップするのならもう少し人数を絞って、序盤で彼らのバックグラウンドを織り込んでからの…の方が効果的だったかな。
主人公のトラウマや、家族との距離感、隊の仲間との軋轢や信頼など、もう少し振りを作らないと感情移入は生まれない。
特に皆同じ防火服にヘルメットだから、誰が誰だかわからない。きっとヘルメットをとったら…やっぱりわからない😞
だって、みんな同じ顔してんだもん😅
だからイチイチピンチになる度に隊員がアップになってエモいシーンが始まるんだけど、この状況でイチイチそんなことやっとる暇はないよな～とちょっぴり白けてしまう😣
とは言え、炎の演出はかなり力が入っていたと思う。
バックドラフトの時も感じたような「生き物感」が良くできていて、まるでモンスターのような存在になっていた。
だからこそ、もっと炎との対峙という描写を徹底して欲しかった。
なんなら「絶対に敵わない畏怖なもの」に対して非力な人間が必死に抗うみたいなね。
やっぱり中国映画って、回り回って「国威発揚」みたいなとこに行き着くような気がする。前に観た「ウルフ・オブ・ウォー」もそんな感じ。
題材やスケールは十分すごいと思うんだけど、着地点が「結局そこかい？」っていうゴール有きの映画に見えてしまって、イマイチ乗りきれなかったな…
