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カサブランカのcのレビュー・感想・評価

カサブランカ(1942年製作の映画)
3.2
リック(ハンフリーボガード)がイルザ(イングリット・バーグマン)に「君の瞳に乾杯」というセリフはキザではなくリックの愛が詰まっているセリフだと知りました。
このセリフを何度使ってもクールなのはボガードだからでしょうね。


リックのイルザへの未練と執着スゴかったんですが、女にそんな去られ方したら怨恨残すよね。
強面で冷淡そうなリックがイルザにだけは熱く、成就出来なかった愛のせいなのかもだけど、こういう人に執着されると怖いー。
ジトーっと睨んできて、キツイ嫌みも浴びせてくるし、力も持ってるし。

リックに助けを求めすがって来た若い女。
通行証の金の工面の為、リックの賭場ですりまくっている女の旦那に、うまーく勝たせてあげるリックに無表情な中に紳士的な温情や正義感が垣間見れる。
その事を周りに褒めそやされても ムスッと素知らぬ顔。


最後はただただ男ボガードの選択がめちゃくちゃカッコ良い。
ラズロの命を賭けての抵抗運動とイルザへの愛もまた、いい男。
そんな2人の男性に愛されるイルザは・・・対して潔くない描かれ方。
したたかな女だったのか、あっちにふらふらこっちにふらふら女だったのか。
(2パターンのラストシーンが作られていたらしく、バーグマンらもイルザがどちらと結ばれるのか知らされていなかったそう。)


フランス領カサブランカで、ドイツ占拠のせいで渡米に望みを託す人達や、ドイツ軍の関係者が集まるリックの酒場 cafe American が舞台。
酒場内で、ドイツ人に業を煮やした客達が「ラ・マルセイエーズ」を合唱したり・・・
イルザのアップで「ドイツの言うことなんて信用できないわ」
「カサブランカではよく人が死ぬんですよ・・・・マドモアゼル」と静かに脅しをかけるドイツ少佐 等々
ドイツに対しての嫌悪感の滲ませ方が強い映画でした。
1942年アメリカが参戦した翌年制作。
恋愛ドラマと並行し同じ量で、政治、戦争の色が濃い作品だと感じ どっぷりな恋愛ドラマではなかったが最後は綺麗で粋なラストに持っていかれます。
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