人を殺すか心を殺すか。
人をボコボコに殴る三上の方がずっと魅力的に映ってしまうのが、悲しい。それは「心を殺す」という選択肢があまりに酷だから、相対的に人を殴るという行為の方がマシだと思えるからというのはある。
だがしかし、そんな単純な二元論で語れない複雑な世界は目の前にあって、誰かにとっての鬼が誰かにとっての天使だったりする。
バランスを上手く取れない人達には修羅の時代。
しかし、世間の大多数を占めるのは、器用で狡猾な「普通」の人間。
悪意も善意も持ち合わせ、温厚で凶暴な、普通の人間たちが社会を回す、すばらしき世界。
