このレビューはネタバレを含みます
なんとも形容し難い気分になる話。
結局人が道を踏み外してしまうか踏みとどまるかは、人との健全で温かみのある繋がりがあるかどうかで決まるのだろう。
というか、人として扱ってもらえる場所に人は自然と流れ着いて行くのだろう。
だからこそ、根本的に短気で後先を考えられない反社会的なパーソナリティを持っている主人公のこれまでの人生は、なるべくしてヤクザになり、あとはまあぶっちゃけ自業自得の人生だったのだろう。。
とはいえそのパーソナリティの根本原因は、育成歴や遺伝という本人の責任の何も及ばないところに大きな割合がありそうなところには救いの無さ感じた。
しかしそんな中でも幸運なことに、主人公は多くのすばらしき人々に恵まれ、ついには更生なるか!?
というところで物語は死を持って突然終わる。。
この急な終わり方にはびっくりしたが、これは主人公が染みついた生き方をすばらしき人々との出会いを通じて変えようとしたことこそが、彼自身にトドメを刺したという終わり方なんだなというふうに感じた。
なんというか、獰猛な野生動物を懐かせて、衣食住の整った檻にみんなで頑張って入れたら環境が合わなくて死んだみたいな話だなと感じた.....
表面上はなんかいい話風な終わり方だが、根本的にはなんも救いのないこの感じが、映画として味わい深かったので高評価4.5
すばらしき世界は、すばらしくない彼には猛毒だったようだ。。