Aya

プラットフォームのAyaのレビュー・感想・評価

プラットフォーム(2019年製作の映画)
3.5
#twcn

あっぶね騙されるとこだったよ!

非常に手管であり見応えがあり中身がない。

なんてロマンチックな映画だなチキショーと思わせてからのーモンド映画やん!

好きな人は好きなやつぅ!
大体の人はその良さがよく分からないやつぅ!

非常に上手いですね。
手管ですね。
騙されかけましたよはい。

でもほんと前半まではとてもとても夢のある映画だなーと思いましたよ。

縦のスノーピアサーの如く複数の階層に分かれた人々の悲喜交交、上にいる人々は下のことを顧みないように見えてその恐怖に追い立てられ、下にいる人はしたなので今そこにある危機。

人間はどれだけ貪欲になれるのか?
残酷になれるのか?
博愛はあるのか?

まぁ、結果ないんですけどw

博愛はないのですがよ自己愛はことさら強く、それにどう抗うかという非常に人間味があるように見えてとてもとても良い子ぶりっ子。

それが悪いわけではないけれど、人間の欲望は本来備わっているものであり道徳は教えられ学ぶものなんですね。

信仰心もそうだし読解力もそう。

女は弱い?

子供は無垢?

男は欲望に抗えない?

黒人はマイノリティ?

老人はすぐ死ぬ?

金持ちは幸せ?

なぜ豚は殺してもいいのに犬はダメなの?

人間はなぜ殺してはいけないの?

同じ動物の肉なのになぜ食べてはいけないの?

とか言いながらちょいちょいラテンノリ入れられますw

お前なんてアミーゴじゃねえよw

よく分からないけど、今ココにない自分を求めた主人公が、生まれ変わってもお前とは一緒にいたい!と唯一共に導いたのは「ドン・キホーテ」。

書物というこれでもかと欲望と夢と残酷さの詰め込まれた被害者。

そして冒険小説の笠を着た乱暴者。

でも人間の本質としてはそちらが正しい。

我々は本来欲望だけで生きるものであります。
博愛とかないです。
クリスマスとかないです。

1月目を共に過ごすのはおしゃべりな誘い人a.k.aオモチャのような単純な男。
ある意味1番無垢な存在。
このおっさんの食べ方が嫌なのが嫌よね!

こんなに美味しそうな食べ物がたくさん出てくるのにモノを食べる気を無くさざるを得ないw

スペイン映画なのにフレンチ寄りのイタリア料理ってのがまた意地悪であり皮肉ながら分かりやすく馬鹿にされてますよね。
悪意しか感じませんが、その悪意けっこう好きですw

2月目には学びを得る。
あのモザイクも見てる間はうわー!って思ったけど今考えたら完全に凄いコッチよりですやんかw

3月目に出会った女は気高くも浅はかでチャーミング。そしてやっぱり理想主義者のバカ。

でも理想主義者のバカは希望とイコールなんだよなー!!

一瞬その博愛精神に救われそうになるも今までの学びを覆され悟りを得る。

俺、みんなが平等に生き残るべく禁衛を保つために脅したり殺したりしてね?

完全にココではないどこかに来たけど絶対ココ来たかった場所と真逆だよね?!

4月目には絶望の果てで一人きり(いや、幻想のおっさんはいたがw)と闘い一線を越える。
自らの選択で。
全ては明らかであり必然。
そして人間の本能に忠実であり、これが人間です。

5月目に出会った男はこの映画でいう「移民」の男。誰よりも夢があり力があり勇気があり脳みそがない。

なんでみんなこんなアホばっかなのw

この辺からですよね。
あれ?なんかいい感じに騙されそうになってるけど、なんでそんな簡単やねん!

アレは狙った演出に見えて落とし穴ですね。
正気に戻ったし!

人生はそんなに簡単ではないし映画もそんなに簡単ではないし観客もそんなに単純ではない。見くびるな。

追い詰められる人は人を喰らい恵まれたものはそれに気付かず、もしくは急き立てられるかのように蓄える。

食べ物はファクトとして使われるのではなく本当にただの食べ物としての機能しか果たさないという深読みするだけ馬鹿を見る・・・ザマァミロと思われてんだろうなぁ。

メッセージはないと思います。
おちょくられてます。

食べ物を使って生理的な篩にかけられるので本能的に無理な人とアリな人に分かれます。

そして最後には好きなやつぅ!の人とよく分からない・・・人に分けられます。

明らかに。
全てはあなたの本能でありあなたの意思です。

でもめっちゃ成功してるから万々歳だし、私が配給の人だったらめちゃくちゃ売り方を考えるの楽しいっす!

それぞれが持ってくる唯一のアイテムもいい感じですねw
ロープってギリシャ神話ぁ!
ミカエルって名前ぇ!

なんで家庭用のビニールプール持ってきてるのw
フィンランド人だろ?!とか思っちゃう私にグサッと刺さる「お前もイメージやバイアスで人を判断してるだろう?」というまたもクッソ底意地も感じも悪い!

嫌いじゃないw

この映画で言いたいことがあるとしたら

神は1人(人です。思想でも概念でも信仰でもない)

そして分かりやすい素直な「騙されやがってw理想主義者がロマンだけ語ってんじゃねーぞ!鏡とお前の家にある映画のラインナップ見直せバーカ!」ってとこだと思う。

嫌いじゃないし、私この映画の宣伝やりたかったw
売りがいあるし考えがい超ある!

いかに観客に興味を抱かせ劇場に誘い観賞後に思考を巡らせられるか?ってとこと、どこまで「騙せるか?」売り手や作り手の方が1番やりがいのある仕事だったと思います。

良かったね!
狙った通り、多くの人には高尚な映画みたいに受け取られてるみたいだよ!


日本語字幕:大嶋 えいじ
Aya

Aya