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ビクラムの正体 ヨガ、教祖、プレデターのGreenTのレビュー・感想・評価

3.0
「ビクラム・ヨガの栄枯盛衰(Rise &Fall)」って書いてあって、「Fall したの?」って思って観てみたら、こんなことになってたんだ!

ビクラム・ヨガは別名「ホット・ヨガ」と呼ばれ、摂氏40度くらいの高温の部屋で90分、汗だくになりながらやるヨガで、結構スッキリして「やった」感が強いので好きだったのですが、創設者のビクラム・チョードリーがとんでもない胸糞野郎だったってドキュメンタリーでした。

私が通ってたスタジオにもチョードリーの写真飾ってあったし、経営者は、このドキュメンタリーでも言及されている「インストラクター・トレーニング・コース」で認証されたって賞状や写真も飾ってあったけど、私はインドに行ったのかと思ってたら、違うのね。LAなのよ。

チョードリーって人は、アメリカに来て、ビクラムを広めたらしい。冒頭に、この人がTV番組に招かれて出て来た映像があったけど、あれ70年代?ベイ・シティ・ローラーズがゲストだったらしく、一緒にヨガやってた!日本のバラエティ番組か!って笑った。

ハリウッドセレブに人気があって、ジョジクルやジェイソン・べイトマン(笑)がトークショウでビクラム好きって語っていて、そういうのもあって人気が出たらしい。

前半はこんな風に、どうやってビクラム・ヨガが有名になって行ったかって歴史紹介なんだけど、後半はこのチョードリーが「インストラクター・トレーニング」などで女の子たちに性的暴行を働いていたって話になってくる。

なんか内輪では「ヨガ界のハーヴィ・ワインスティン」のように言われていたらしいけど、もう、写真とかインタビューの映像観ただけで「コイツヤバい」って分かる。

もちろん、ドキュメンタリーって「コイツは黒」みたいに決めつけて作ることもできるので、製作者が意図的にそういうところばかり出している可能性は全然あるんだけど、それにしたってなあ。「へえ~、そんな人に見えない」って感じじゃない!

このセクハラ(というかレイプですよ)容疑が出たのって2014年くらいの話で、2017年くらいには裁判になってたらしいんだけど、ぜーんぜん知らなかった。その頃まだビクラム通ってたもん。そのスタジオとかどーなったの?ってググってみたら、今は「ホット・ヨガ」とか、ビクラムって名前を使わずに経営してた。

みんな災難ですよね~。インストラクターのトレーニングコースって100万円くらいかかるらしいもん。このドキュメンタリー観て分かったけど、私が行ってたスタジオでもクラスの進め方がこの人と全く一緒!みんなマジでこの人みたいになりたがってるんだ!って思った。

ヨガとかって、始めたら痩せた!体の不調が治った!人生変わった!って「信者化」する人が多く、それでこんなキモいおっさんが好き勝手していても「信じることを止められない」みたい。

それと、ヨガを教えたい!って思っているので、逆らったら認証もらえない、ヨガ・スタジオを開く夢を叶えられないと思うから言うこと聞いていたみたい。

いや、もう私は「マジか~!」を連発しながら観ていました。そもそも最初有名になったのも、身体の上をトラックが走ってもOK!みたいな、ふで箱みたいなプロモーションとかなに?!って思ったし、ビキニパンツ一丁でハゲ長髪という、すっごい胡散臭い!こんな人だったの?!って感じ。

なのに「私は世界で最もスピリチュアルな人間だ」なんてインタビューで言ってるし。

裁判で負けて、$8ミリオン?くらいの賠償金支払いを命令されたんだけど、すぐ奥さんと離婚手続きして、資産を全部奥さん名に変え、そんでインドに逃亡しちゃった。で、2019年の時点では、メキシコのアカプルコでまだインストラクターのトレーニングをしていて、金儲けしているらしい。こういう詐欺師って、意外と罰せられないんだなあって、最近のネフリのドキュメンタリー観ると愕然とするわ。
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