TAK44マグナム

コンフィデンスマンJP プリンセス編のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.9
信じればそれが真実。


ドラマは観ていませんでしたが先日テレビでロマンス編が放送されていて、途中からですが観てみたら思いのほか面白くて。
やはり食わず嫌いはよくないと、イオンシネマのワンデーパス(7月31日までみたいですが2500円で1日見放題、ドリンクも飲み放題というチケットです)を試したいという事もあって観賞しました。
これが大正解!面白かった。
観ている間中、テンポも良いので、ずっと楽しかったですね。


長澤まさみが仲間の詐欺師たちと共に、世界三位の大富豪から騙し取ろうと奮闘するお話。
キャラクター命みたいなところもあるので、できればドラマ版から観ておけばより楽しめるんでしょうね。
竹内結子や、先日急逝した三浦春馬が出番は少ないものの活躍するので、せめて前作は観ておいた方が無難だと思いました。

舞台のほとんどはシンガポール等のアジア各国であり、大富豪が相手とあって中途半端な作りだとショボく感じかねないところですが、豪華な雰囲気はちゃんと出ていますし、スケール感を維持できている中での二転三転に目が離せません。
「金はしょせん金でしかなく、それを使う人間の器が重要」というテーマが、御伽噺のように都合の良い話にマッチしていました。
そして、普通ならこの「都合の良さ」が作品の足かせになるのですが、本作は詐欺師の話。詐欺の計画がうまくいったに過ぎず、あとに残るのは美しい御伽噺だけ。
これはこれで良いじゃありませんか。
不覚にも泣けたし。
まんまと脚本にしてやられましたよ。
きっと北大路欣也演じる前党主は自分の人生を悔いていたんでしょうね。
それが分かる終盤の展開がベタといえばベタですけれど素直に心に響きました。
「奇跡」が何故起こったか、その理由が明らかになるラストは、なるほど!と膝を打ちました。
時には快く騙されることも必要だということなのでしょう。
それを体現する役目である柴田恭平も良かった。


邦画によくある「豪華キャストによるゲスト出演」も使い方が悪くないので変な雰囲気にならずにすんでました。
特にデヴィ夫人には笑かしてもらえました!
あれ最高ですよ(笑)
チョイ役のGACKTも場所が場所だけに出演したのかもしれませんが、カメオ出演としてはあれぐらいがクドくないし宜しいですね。
メインキャストもそれぞれの役目がしっかりしているので嫌味がないし、敵となる江口洋介も「ルパン三世」でいえば銭形警部のような好敵手って感じ。
最初は選民思想の塊みたいだったビビアン・スーもかなり唐突に真の姿が分かるんですけど、まぁそのあたりはご愛敬。
ビビアン・スー、久しぶりに見たけどまだまだ凄く綺麗で驚きました。
ヌード写真集、何度買おうと手に取ったことか・・・今は画像検索で簡単に見られてしまいますけど、以前は台湾でヌードになった映画を探して観たりしてました(汗)
今の若い人は、あの人がブラックビスケッツでキャイーンと組んで歌って大ヒットしたなんて知らないのではないでしょうか。
あと、ホンのチョイ役なんですけれどナイフ投げ女子の左の娘が好みでした(←どうでも良い情報)。

そして、やはり何といっても長澤まさみとキーキャラクターとなる関水渚につきる!
長澤まさみは完全にダー子というキャラを自分のモノにしているのでしょう。
観ていて安心感があります。
ダー子を見るためにドラマ版も観たくなりましたよ。
今回はいきなりJKの制服姿になってくれます。これ、個人的に大サービス受けました感が最強(苦笑)!
ちょいとキツいけれど、まだまだ制服コスがイケるなんて素晴らしいじゃないですか。
対する関水渚は瑞々しい透明感が「純粋な心の持ち主」という(偽だけど)クラリスみたいなプリンセス役にピッタリ。
今時あんな娘はいないような気もしますが、特殊な環境で育ったのにグレないで良かった!と、まるで親戚のおじさんみたいな感情が芽生えましたよ(汗)
ずっとあのままでいて欲しい!


別に義賊というわけではありませんが、悪い金持ちを騙して釣り上げるコンフィデンスマンたち。
本物のお金持ちは、正しいお金の使い方を知っている。
だから使い方を間違っているヤツらにはお灸を据える。
今の世の中、余計にスカッとしますよね。
どうせなら、長澤まさみたちが狙わないお金持ちばかりになってくれれば世界も少しは良くなるのにな。
観終わって、そんなふうに思ってしまいました。


P.S.
それにしても、仕方ないことですけれど三浦春馬が登場すると何とも言えない気持ちに・・・
楽しい役なので余計に「一体何故?」と頭をよぎってしまいます。
ご本人にしか分からない苦悩があったのでしょうか・・・
謹んでご冥福をお祈り致します。


劇場(イオンシネマ海老名)にて