田舎

花束みたいな恋をしたの田舎のレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.8
JAXAのトートバッグが被る!?…ないないない!!

本心でそう突っ込んだ私はJAXAの黒キャップを所持している。何年か前、ちゃんと茨城で買ったやつ。連発される所謂サブカル寄りの固有名詞や演出を大方理解できた私は、客観的に見ても絹と麦側の属性の人間であると思うが、"既婚の一端のアラサーリーマン"という紋切り型属性も手にした今、特に序盤はかなり小っ恥ずかしくて見てられなかった。ただまぁ、なんか普通に日本版『ラ・ラ・ランド』みたいなことですよねこれ。

「カルチャーと自身の距離」という観点で、ライフステージの変化にあわせてカルチャーとの付き合い方も変容するというのはリアルな体感としてかなり"あるある"だとは思うけど、これ見た学生さん、若い人、社会に出ることに絶望しないでほしいなぁ。慣れない環境に飛び込めば、はじめは忙しくて本読めない、映画見れないなんて時期もあるかもしれないけど、自分のペースでそれなりに好きなものと付き合っていくスタイルを、ゆっくり作っていければいいと思うので。その辺りは、何年か経って麦もどこかで折り合い付けられたと勝手に思ってる。いったん脱落したゴールデンカムイへの興味が、ある日急に蘇る、なんて事もあるもんです。あ、でも残念ながら就活はクソですよ。ホントに。

こんなに趣味が合う人は世界にこの人だけ!という感じの二人の描かれ方だが、嗜好してる音楽はいたって普通の10年代後半の大学生という感じだったし("きのこ帝国好き"って、ワンオクを無下にできる程高尚なもんか?)、洋服には興味なさそうだったしで、京王線中央線沿いに腐るほどいる人種(学生)なので、そこにはそんなにノレなかったですね。麦の母校がまさに自分の母校だったので笑った。懐かしかったな。トラコンに菅田将暉いたの変な感じ。

ラストの退去の一連はとても良かった。あと主題歌、勝手に勿忘だと思ってた。

追記)結成~現在に至るまでのACCのバンドストーリーとリンクする進行でもあるので、帰宅後『青春の胸騒ぎ』のMVを見て泣きそうになった。
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