さいとう

花束みたいな恋をしたのさいとうのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
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映画を観た後、無性に本が読みたくなって古本屋に行った。
色んな意味で余韻が残る映画だった。

こんなに春の訪れを感じさせるような、爽やかであったかいタイトルなのに、めちゃくちゃに苦いし、痛いし、突き刺さる(笑)

運命だと思って付き合って、別れるまでの過程が両者の視点からリアルに描かれる。
何がしんどいって別れに至るまでの諸々のちりつもが何より丁寧に描写されてること。

どちらが悪い訳でもなくて、ある意味仕方のないことだけれども、かつて励ましとして機能した言葉や存在が意味をなさなくなることって本当にやるせない。
当たり前だけど、変化し続ける環境のなかで他人との関係性を維持するのって並じゃないよなぁ。

登場する作品とかがどんぴしゃど真ん中!って訳でもなかったけど、それでも作品名はもちろん知ってるし、似たような大学生活を送っていたからいわゆるエモいですよね。シンプルにエモい。

あと、鑑賞後思わずGoogleストリートビューを見てしまう映画です😌

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終電を逃したことをきっかけに出会った大学生の麦と絹。信じられないくらい共通点ばかりで2人は付き合うことに。お金はあまりないけれど幸せで充実した生活を送っていた2人だったが、就活や生活の環境が変化していくなか、それぞれの想いにも徐々にすれ違いが生じていく。