nanana

花束みたいな恋をしたのnananaのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

やっとみた。

春にtiktokで話題になっていて、若者〜高校生界隈で流行ってるのか、、と思い、最初は「主演二人のネームバリューと人気にあやかった陳腐ラブストーリーかな(駄作っぽい)」という完全先入観だったのですが、
あまりに話題になって鑑賞者が増えるうちにアラサー周りにも考察レビューやら感想、解説noteとか書く人が増えて「え、大人が見てもそんな語るほど見応えあるの?」という期待と、そこまで話題になってるならどんなもんか見てみようかな…という程度の気持ちでブックマーク。

そしてやっと見ました。

結論、ホントーーに日常で「こんなことあったよね」(自分の似たような体験とか、自分じゃなくても自分の周りで起きたこととか友達の体験談とか近しいものは何かしらあるはず)というノスタルジーと既視感なんだけど、「主演二人の画力(画面における映え力)」がものすごいから映画として成り立っている。。。という感想。

逆に「映える人がエモい色彩とカット割でフィルム回されると、本当にこんなあるあるな日常でも映画として成り立つんだ…」ってところが一番の発見な気がする。笑

内容はだいぶレビューとかネタバレとか見てたのでどうこう思うっていうより「あぁこう書かれてたシーンはこのことか!」とかの追っかけ鑑賞になってしまった。
けどストーリー自体は見ていて違和感ない既定路線というか、まぁそうなるよね。ってところだったので、特に前情報なくても同じ感想だったと思う。
トイレットペーパー持ちながら二人で歩くシーンはたしかにエモい。最強。それだけ。でもそれだけで十分成り立つし、満足度としても十分な気がする。笑
甘酸っぱいきゅんが味わえる。笑


でも実際身近にいたら、有村架純の方はだいぶ鬱陶しいやつというか、同じクラスとかに居ても友達にならないタイプ。笑
(決して赤文字系ではなく)non-noとかみたいなぬぼっとした下北沢的な格好してるのに本人が可愛いからそれだけで成り立っているところと、それなのに突如コリドー街デビューしてたりイベンターとしてにわかに港区女子みたいに急に変貌するところ、そしてそれはそれで成り立ってるところがリアルで鬱陶しい。笑
最後はまたうんちく女子みたいに戻ってた(というより前より自我前面な感じが更に強くなってた)けど。※港区女子に突き進んでたらそれはそれで面白かった。無いけど。笑

麦くんは至ってマトモというか、フツーに居るし(居ないけど)働いてる人の気持ちを代弁してて、多少極端ではあるかもしれないけど(急に前田裕二のくだりとか)それは描写であって、長い人生をロングスパンで考えたら、入社して2〜3年とか向上心持って自己啓発的なことに目覚めるのって多くの人が普通に辿る道であってなんら特殊なことでも悪いことでもなくて(有村架純が受け入れられなかっただけで)まぁあるある、っというか、リアル。しかも別にそれが「ビジネスに魂を売ってアートを諦めた人間」みたいに極端に描かれてたけど別にそうではなく、0:10が3:7になったり混じりあったりすることのが普通で、ホント普通な反応でしかないから、むしろ肯定的に見れた。肯定的っていうのは、「100:0」でビジネスしてない人をバカにしたりとか(稼いでる俺が偉い発言とか)してないし、むしろ地に足ついてて、先輩カップルが金なくてDVしてても絶対俺はしない。っていう感じだったし、自分が働いて家でも疲れてても「大きい音でゲームやっていいよ。絹ちゃんも昼間仕事していま休んでる時間なんだし。」的な発言があって、なんでできた人なんだ!!!!!!!!!(こんなこと言える人なかなかいないのでは?)っという感想でしかなかった。なので麦さんはめちゃくちゃ好感度高い。しかも最後まで浮気もせず(絹ちゃんはしてたけど)、DVとか壊滅的にアウトななにかの片鱗もないし、むしろ結婚しよう。って覚悟も決めてそのための行動変容もちゃんとしてて、いたって真面目でマトモですんごい好青年。っというかんじの印象しかない。(途中「ださくない?」とか言ってたけどそれはまぁ日常のなかの言葉のあやであって壊滅的ではない)

しかも麦さんは長い人生の一瞬こじらせ野郎みたいになってるかもしれないけど、またカルチャー好きとか自分の好きなことを大事にできる人になっていくと思う。なんでだか、性根が良さそうだし、描いてた絵もほんわかしてて可愛いし、ベースがおっとりしてていい人だから。社会に出て一瞬は違うルールのおもちゃ見つけた感覚でそこの場で頑張ること自体がちょっと楽しくて新鮮でハマるんだよ、、って五年後10何後の視点でご自身を見てほしい。笑

その点絹さんの方が、結構最初から気が強いし自己肯定感バリ高すぎて(なのに地味な見た目なんだけど、自分が一番最高正しいって思ってるタイプ)ちょっと正体不明で苦手。相手に合わせるとか一切せずに自分に合わせない人のことを一方的に責めてきそうだし、都合悪くなるとまたチヤホヤしてくれる方にするっと鞍替えするタイプ。にしか見えなかった。笑


まぁなので数年後のシーンで二人とも嫌味っぽい人に説教してやる的なタイプ(自分が正しい、押し付ける)になってたのはちょっと残念。

でもそこまでの過程においては、結果はどうあれ至ってマトモに真面目に目の前のことに取り組んで、人生や目の前の人に向き合ったに取り組んだ結果なので、ナイストライでしかないし、このプロセスにおいてこれ以上いい方法があったわけでも無いと思うし(「あの時こうしてればこんなことになってなかった」とかではない。至ってナチュラルに自分の人生と二人の関係を各々できる最大限がんばった結果でしかない)そういう意味では学生のときにこんな充実したいい恋愛できて四年も幸せで、それって人生において超幸せなことでは?という感想。。(なかなか青春時代の甘酸っぱい恋愛ってお互い未熟だから普通もっとこの二人より次元低い争いがあったりこんなうまく取り回せなかったりすると思うから、十分いい事例だと思う)

なんかそういう意味では、身近な友達とかのいい恋愛を近くで見させてもらって「へぇ〜(いいじゃん!なんだかんだよかったね!)」っていってる感覚。
それをこんなに360度ご丁寧に見せてくれてありがとう。って感じ。笑

あんまり別に本編に対してこうしてればとかこの時の考えはこうだ!とか言うつもりないのにこんなに語れてしまうのは、構成の力なのか、菅田さん有村さんの力なのか…。
期待値低めでサクッと見るには話題合わせも含めていい映画◎
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