Daniel

花束みたいな恋をしたのDanielのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

花束のように、華やかに咲き、儚く散る恋の美しさ。


あまり期待してなかったが、裏切られた。
素晴らしい作品だった。
飛行機の中で2回続けて観た。

始まりは、終わりの始まり。
二人は互いに二人の未来を想って生きていくが、社会で生きる中で二人はすれ違っていく。
何が間違っていたのか、どうすればよいのか。悩み苦しみながら二人の恋が散っていく様は、儚くも、美しいほどにリアルだった。

ラストの若い二人を観て涙するシーン。
これは、もうあの楽しかったころには戻れないという寂しさ、失ってしまった辛さ、そしてお互いの感謝の気持ちがあったのだと思う。
散ってしまった恋だったが、一緒に時間を共有してくれたことに、これまでの全てに「ありがとう」という気持ちがこもった涙だったのだと思う。
それは儚いが、とてもとても美しいシーンだった。


個人的に心に来たのは、本屋で絹が新作の本をもって麦に駆け寄ろうとして立ち止まったシーンと、閉店したパン屋のことを絹にラインしたシーン。
昔のままに振る舞う絹の姿が切なくて溜まらなかった。
自分も大切な人のこんな機微に気づいてあげれるようになりたい。
Daniel

Daniel