このレビューはネタバレを含みます
苦しくて苦しくて美しい。
全体的なストーリーというより、一瞬一瞬がドラマチックで引き込まれる映画。
ちゃんと野菜も食べなさい、に母親がつまってた。
風俗で働こうとしたり、髪を切って男性を装ったり、
子供が自分よりも大切で、自分を犠牲にするのが苦じゃないと思ったらもう母親なんだろう。
水川あさみの、ほんとはちゃんとしたいんよとか、大丈夫私が守ってあげるとかもきっと本当で、
どんな母親もそれぞれもがいて生きる人間の1人なんだよな。
そのうえで、きっと生き物を育てることに対して向き不向きはあるのだろうなとも思う。
女になりたい、じゃなくて、生まれた時から女なのに、形が違ってしまっていた。
それがどんな気持ちなのか到底理解することはできないし、
それを受け入れてまわりに順応して、自分を愛して誰かに愛されることはどれだけむずかしいことなんだろうと胸が苦しくなる。
いちかちゃんが最後、トレンチコートを着てハイヒールを履いて、母親みたいにさっそうと歩く姿が印象的だった。