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ミッドナイトスワンのmajiziのレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
3.5
醜さを露悪的に描写したり、くどい台詞で説明したり、いかにもな演出がつくづく惜しい作品でした。

観客はそこまでおバカさんではないでしょう?

ちょっと臭いなぁというところ、死をチラつかせるのは大衆にはウケますが、役者の力量を信じて欲しい。

主演の草彅剛はもちろん、一果を演じた新人の服部樹咲、友人りん役の上野鈴華、それからバレエの先生役の真飛聖(すんごい芸名、芸名も見た目も話し方も元ヅカの方と一目瞭然)

何よりこの作品はキャスティングの成功でしょう。
だからこそ、ベタな脇役たちの予定調和や、描かれていない空白のバランスが悪く、かなりもどかしい編集でもありました。

悲劇的序曲は既につよぽんの内包する雰囲気から感じられるので、安っぽくなる過剰な描写は不要。

それからダンスシーンはこんなに一果は上手なのに!!
ラストはもっと美しく撮れないの?と、期待値が上がりました。
ここは『花とアリス』の蒼井優を超えてこない。(バレエの上手い下手ではない、美しさ一択)

しかしながら、舞台に出て行く後ろ姿のふくらはぎ筋肉をしっかりと映しており、これぞバレエダンサー、情緒ある足だと感じ入るばかりでした。

なんか文句ばっかりだけど、とても良作です。
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