母性への目覚め、少女の成長。
孤独な二人が出会った時、未来への希望が少しずつ見えた所に嬉しくなったし、このまま長く続いて欲しいと心から願った。
"うちらみたいなんは、ずっと一人で生きていかんといけんのんじゃ"
そう言った凪沙。
でもやっぱり、人は1人では生きていけないんだって改めて思い知らされる。
美しく、切ない作品でした。
草薙くん、じゃなかった。
完全に凪沙さんという目、表情。
若干"映画"すぎでは？という思いと、あまりにも現実すぎるシーンの差につらくなった。
「LGBTを勉強している」という一方で、何もわかってないおじさん世代。
凪沙の性を受け入れられない母と田舎。
「男だって美人になれるんだから」と、凪沙と少女達どちらも見下している偉い人。
同じ気持ちの、小さなコミュニティの中でしか、堂々と働けない人々。
彼女達に「なんで私だけ」と思わせる世界は、まだまだ冷たい。
「男だろ」ってすぐ股間を触る文化、どうにかならないのかな？って冷めた目で見ちゃう。
一方でバレエの先生が凪沙を「おかあさん」と呼ぶシーンや、おじいさんが「お姫様」と凪沙と一果に優しく話しかけるシーンが印象に残っています。
もう一人の孤独な少女。
個人的にりん役の上野鈴華さんが凄かったんだけど、デビュー作なんだね。
役どころもだし、終わりも、震えるキスシーンも、なんか目が離せなかった。
