skm818

由宇子の天秤のskm818のレビュー・感想・評価

由宇子の天秤(2020年製作の映画)
3.7
ドキュメンタリー作家としてとある女子高生の自殺の周辺を取材する由宇子。対象に真摯に取り組み、仕事の後は父親の経営する学習塾を手伝うなど、少々力入りすぎではってくらい真面目な人柄が感じられるが、一方で、ディレクターとしての野心もあって、それを守るために嘘をつくこともあるし、目の前の相手を信じすぎてしまうこともあり、ちと詰めが甘い感じもする。おそらく成功するためには、もうひとつ割り切りだとか別方向の狡さが必要なんだろうなー。追いかけている事件の関係者の、マスコミに狂わされた人生も重いが、学習塾の生徒を妊娠させたのが自分の父親だとか、その子の家庭環境だとか、その後の顛末だとか、何かもう重さと絶望しかなくて、見ていて肩が凝りまくるんだが、現実にこういうことはあるんだろうし、おそらく映画よりも酷いのだろう。由宇子さんもお父さんも悪に徹しきれないのがキツい。そんでもってメイちゃんのお父さん、娘のことを愛しているのはよくわかるけど、ダメすぎるでしょこの人…
skm818

skm818