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ぶあいそうな手紙のoden8のレビュー・感想・評価

ぶあいそうな手紙(2019年製作の映画)
4.4
親愛なるあなたへ

優しい陽射しさと新緑が心を弾ませる季節になりましたね。あなたは、如何がお過ごしでしょうか?ご機嫌はいいですか?
僕は、毎日素敵な映画の世界を旅して、いろいろな人の人生に心を動かされながらご機嫌に過ごせています。一時期のストレスばかりの地獄の日々が嘘のようです。
今日も、心が穏やかになる素敵な映画に出会えた喜びに震え高揚しております。その気持ちを書き留めておきたくて、筆を動かすことに至っております。

長い人生において、出会いと別れは誰にとっても重要なファクターだと感じております。人は、誰もが心の孤独と対峙しながら生きていますよね。人と居ることで和らぐこともあれば、人と関わることで増す孤独感も。でも、やっぱり…人の心の隙間を埋めてくれるのは人でしかないのかもしれませんよね。
独りの女性との出会いが、独りの老紳士の人生に彩りを取り戻させる。その様な物語を拝見致しました。

人の心を塞ぐのは。孤独であり。大切な人を失った時の喪失感でもあり。自分が老いてしまったと感じることによる悲愴感が大きいのかもしれません。
例え、それらが目を見えなくさせていたとしても。一つの出会いで、また世界を観ることが出来る様です。誰かが居てくれることで、心のドアをノックされるんですよね。その、トントンが心を軽やかにしてくれるんだと感じますの。
そして、それは手紙にも伝導するのです。無愛想だった手紙が、温もりのある手紙に。温もりのある手紙が、掛け替えのない手紙へと。
送るドキドキと、受け取るワクワクが何とも心地ようござぁますよね。
誰かと気持ちを交えることで、世界の彩りが変わるのですね。

老紳士の心の機微が、とても丁寧に描かれていましたの。最初はただの偏屈そうなジジィだったのが。心を通わせていくにつれ、チャーミングなおじぃやんに変わっていくのです。どんどん愛おしい存在になっていくのでござぁますのよね。

人には、決してノックされたくないドアもあるでしょうね。それは大切過ぎて、壊されてしまうかもしれないという恐怖感であったり。大切な想いが、空気に触れて風化させない為なのかもしれませんね。
でも、そのカギのかかったドアも。一緒に開けてくれる人が、気を許せる人であれば。想いを一緒に大切してくれる人となら。想い出は更新せれていくのですね。

拙文にお付き合い頂きありがとうございます。また、素敵な時間をご一緒させて頂ける機会を楽しみにしておりまする。

追伸。恋文は幾つになっても、めちゃくそよろしいでござぁますわね。

映画が友達であり恋人である男より

Cast(役者·キャラ) 5
Story(物語) 4
Architecture(構成) 4.5
Picture(画) 4.5
Acoustic (音) 4
23-133
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