Dumbo

ぶあいそうな手紙のDumboのレビュー・感想・評価

ぶあいそうな手紙(2019年製作の映画)
4.0
タイトルと、ブラジル映画っていう点に
惹かれて鑑賞しました。

淡々として静かだけど、ちょっとおもしろくて、
あたたかい気持ちになれる素敵な映画でした。

舞台はブラジル。
隣国ウルグアイから46年前にブラジルにきた
78歳の独居老人エルネストのお話。

このおじいちゃん、
この年代あるあるで、ちょっと頑固で
タイトル通りにちょっと無愛想なんだけど、
歳をとってだんだん目が見えなくなり、
自分の生活は変えたくないけど、
不自由なことも多々あることも
自覚し始めていて、
息子にも一人暮らしは無理と言われて
不安とイライラを感じながら、
それでもこのまま静かに
人生が終わるだろうと思っていた。

そんなある日、
ウルグアイから届いた一通の手紙。
読もうとしたけど、
どうしても見えなくて読めない…
ハウスキーパーに頼んだが、
ブラジルはポルトガル語だから、
スペイン語は読めないと言われ、
隣人のハビエルに頼んだけど、
茶化されてばかりでうまくいかず…

困っていたところに、
23歳の今どきのブラジル娘、ビアに出会う。
少しスペイン語ができたため、
ビアに手紙の代読と返事の代筆を頼む。

このビアという女の子、
ちょっとワケアリで、
まわりの人からはよく知らない子を
信じてはいけないと忠告される。
ほんとにこのビア、
行動が怪しすぎて、
観ているこちらも、
この娘がいい子なのか、それとも老人を食いものにする悪い子なのかよくわからなくて
オレオレ詐欺⁉️とか思ってハラハラした。

それでも信じたエルネストはすごい!

結局は、
ビアのことを一番わかってくれたのはエルネストで、
エルネストの気持ちを一番わかっていたのはビアだった。

隣人ハビエルとは、憎まれ口をたたきながらも、
実は二人は大親友で、
目が見えないエルネストと
耳が聞こえにくいハビエルは、
お互いにめんどくさい奴だと思いながらも、
一番気にかけていて、
最後の二人のハグには思わず涙が出た。

このまま何事もなく終わると思っていたら、
こんなに素敵なラストが待っていたなんて!

ビアとの出会いも「手紙」だったけど、
この「手紙」がまた
エルネストの人生までも変えたのですね。

エルネストの再出発!
人生、最後まで何が起こるかわかりませんね!
私も、たとえおばあちゃんになっても、
ちょっとだけ夢みて生きていけたら、
素敵だろうなと思う。

エルネストもビアも本好きなところや、
場面にあわせて使われている音楽、
ブラジルらしいラテン系のタンゴや、
スパニッシュギターもよかったです。


自分の気持ちを素直に伝えられずにいた
“ぶあいそう”なエルネストだったけれど、
最後の手紙は
“ぶあいそう”ではなく、
とても素敵な手紙だった!
Dumbo

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