氷雨水葵

ハイウェイの彼方にの氷雨水葵のレビュー・感想・評価

ハイウェイの彼方に(2019年製作の映画)
3.0
2022年162本目

月末恒例ポイント消費鑑賞

◆あらすじ
20年の実刑を終え出所したラッセル(イーサン・ホーク)は、社会復帰に苦労しながらもファストフード店の皿洗いの仕事を得る。

そんなラッセルはある夜、店のゴミ捨て場に生後数か月の赤ちゃんが捨てられていることに気づく―――。

◆感想
なんでブラムハウスが製作したのか分からんが、イーサン・ホーク主演で映画作りすぎじゃない(笑)
80分ほどしかないにもかかわらず、人生と向き合うことの大切さがわかる作品です。マリファナ所持で20年の実刑、出所したものの社会復帰に戸惑うばかりの主人公の描写がすごく繊細。赤ちゃんを見つけてからの展開にもハラハラし、短い時間のなかにたくさんの見どころがあります。とくに、泣いている赤ちゃんを必死であやしたり、ミルクを作りオムツを替えたりといったシーンは、とにかく「頑張れ!」と応援したくなります。ラッセル自身、両親もいなければ、頼る人もいないため、1人赤ちゃんと向き合っている姿を見ると、ほっこりする反面少し切なくなります。
赤ちゃんと離れても、そこから自分の人生を見つけ生きていく――ラッセルの父親が遺したものが、きっとラッセルの人生を救ってくれる、そんなクライマックスに少し泣きそうでした…。自分の犯した罪は消えないし、両親はもういないけれど、両親に愛されたことは事実。終盤、セリフは少ないけれど、表情でそこらへんを訴えてくるイーサン・ホークの演技さすがです。

愛と切なさに溢れた作品でした。
氷雨水葵

氷雨水葵