べーやん

ミッドナイト・ファミリーのべーやんのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・ファミリー(2019年製作の映画)
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メキシコシティの私営の救急搬送業者。
映画というよりはドキュメンタリー。

人口に対して正式な救急車は不足していて、救命士の資格を持たない人々による闇の救急搬送サービスが存在するそうです。

中古の救急車に、法律スレスレの設備、警察への賄賂など…
警察の無線を傍受して、駆けつけるわけだけれど、このファミリー以外にも救急搬送業を生業にしている人はいるわけで、取り合いになるシーンがとても印象的。
こんなに暴言吐きながら一目散に通報者目掛けて競り合う救急車、びっくりしました。

せっかく手当して病院に送り届けても、お金がないから搬送代を払ってくれない、どうしてここの病院にしたんだと文句を言われる…
人助けしているのにも関わらず、助かった方は感謝を伝えることがない。
私営なので搬送代が非常に高く、不法だから強くお金を請求することもできない。
やりきれないなぁ

十分な食事も睡眠も休憩もない、その日暮らしの生活。

社会の隅っこに押しやられているのに、社会がフォローしきれてない部分を必死で補いながら人々を救っている。
善と悪とはなんだろう。とつい考えてしまう作品でした。