幕のリア

市民Kの幕のリアのレビュー・感想・評価

市民K(2019年製作の映画)
3.1
ソビエト連邦崩壊からロシア式資本主義の稚拙な勃興とオリガルヒの台頭。
恣意的な見せ方とは言え、プーチンが着実に権力を磨く中で、この変化と堕落を苦々しく見ていたのは間違いない。

オリガルヒの雄ホドルコフスキーが身ぐるみ剥がされる様に何を見るべきか。
他国の悪徳に義憤を感じるのはお門違いであるし、彼を英雄視しようとはしない視点はフェアだ。

冒頭から感じていた違和感。
このジャケットにも写るホドルコフスキーの精悍な表情と成り上がるまでのそれがどうにも一致しない。
矛盾に立ち向かう過程で、不屈と諦念のないまぜがそれを形作ったと感じる。

最近見たロシア関連のドキュメンタリーは全て3〜5年前の作品。
未来に対する警告というより、騒乱が一息ついた油断のタイミングであったように思えて気持ちが悪い。

〜〜

今日の一曲

Citizens Of Science - YMO

https://m.youtube.com/watch?v=gCmIEREtPfY
幕のリア

幕のリア