Smoky

バビロンのSmokyのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.5
いわゆる「ジャズ・エイジ」と呼ばれた1920年代の米国の映画業界を再現した煌びやかで退廃的で悪趣味な映像や、高密度の情報量とスピーディーな物語展開や、俳優陣の熱演(特にマーゴット・ロビー!)などによって分かりづらくなっているかもしれないが、よくよく観れば、永遠の名作『雨に唄えば』をモチーフにし、いろんな映画の断片を少しずつ拝借してつなぎ合わせたサンプリングムービーであり、普通ならCGで済ませてしまうところを古き良き映画の撮影スタイル(フィルム撮影+テレンス・マリックばりのマジック・アワー!)で制作した、いかにも映画好きで真面目な若い監督らしいオーソドックスな作品であることが分かる。
 
彼が30代でこんな映画を創れたのは『ラ・ラ・ランド』の成功があったから。その前だったらここまで金をかけられなかったろうし、その後だったらここまで刺激的になり得なかったと思う。伝わってくる熱量とは裏腹にいろんな意味でとても計算し尽くされた作品。やっぱり真面目(笑)
Smoky

Smoky