よねっきー

ブロークン・フラワーズのよねっきーのレビュー・感想・評価

ブロークン・フラワーズ(2005年製作の映画)
4.7
この映画がなかったら、おれの大好きな『オン・ザ・ロック』も多分なかったのだろう。白髪のビル・マーレイに「引退したプレイボーイ」というキャラクターを与えた、それだけでもこの映画の功績はデカい。発明的だもん。

探偵映画よろしく展開していく美魔女(元カノ)巡礼の旅は、スリリングとはいかないが軽妙洒脱。画面にときどき映るピンクが、常に映画の些細な期待感を保つ。孤独なビル・マーレイの言動にいちいち遊びがあって、映画の雰囲気が寂しくなりすぎてないのが良い。寂しさがちゃんとクール、というか。粋なんだよな。

最後にチラと映る髭面の青年が、ちゃんとビル・マーレイに似ているのも良い。実の息子のホーマー・マーレイなんだとか。まあ良くも悪くも、徹頭徹尾ビル・マーレイありきの映画である。ビル・マーレイ無しで同じ映画撮ろうとしたら、たぶん火傷する。気をつけよう。
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