幼い頃から体が弱いちひろ、
ある時奇跡の水を使って体中に出来た湿疹が治ったことをきっかけに、目に見えない神を信じ始めた両親とその環境で思春期を迎える娘たちの葛藤が結構くらう。
親に対する感情とはまた違う形で大切と思える何かができた時、
自分の育った環境に感じる違和感、
愛情表現は一歩間違えると子供の尊厳を殺してしまう。
それが本気であればあるほど子供の逃げ道は塞がれるし、ここで描かれている両親は恐ろしいほど目に見えないものに縋り付き、
本当に大切にしなければいけない現実を見失っている。
悲しいけれどこれがちひろとお姉ちゃんの環境で逃げることも向き合うこともできない。
人間は弱いけど、
誰かに何かを示して貰わないと子供を育てることが出来ないのか、
信仰心を当たり前に育てられたちひろの心の揺れ動きが不思議でとても子供らしく愛おしかった。
そんな中親友の彼氏がとても良くて、
目を覚ましてくれるような笑える言葉をくれたからそこが一番のハイライト。
頭にタオルを置いてお水をかけるなんて普通の人が見たら狂ってるんだよ。
ちひろが信じていたのは宗教ではなく両親。
そう思うと暖かいなー。