せんきち

星の子のせんきちのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
3.9


なんつーか地味である。地味であるが凄い。


カルトに入信した両親と娘の話なら、普通はその娘が葛藤の末に脱会、自立なんてストーリーになるもんです。でも本作は違う。

ちひろは両親がおかしいのもカルトが怪しいのも理解してる。それが自分の将来へ障害になりつつあることも。それでも尚、ちひろは両親との生活を諦めない。カルトとも若干の距離をおきつつも集会に参加し続けるのだ。


原作小説は未読だが、カルトを全否定しないスタンスで一人の少女の青春映画として撮りきってるのは本当に凄い。本当にこの環境にいたら、そう決断できないよなと思う。リアル過ぎる。


脇役が大変素晴らしく、ちひろがカルトの子であることを知った上で親友であり続けるなべちゃんの新音とちひろだけはカルトから救ってやろうと奮闘する叔父さん大友康平なんか最高。そしてイケメンクズ教師の岡田将生!岡田将生は毎回イケメンクズばかりやってる気がする。

明確な答えを出さない映画だけにもやもやする人もいるかもしれない。その辺の複雑な感想をそのまんま公式サイトでコメントしてたサンドウィッチマンも流石。
せんきち

せんきち