女性が目覚めると、そこはカーブした壁面。
ちょっと気を抜けば、するりと奈落の底へ落ちていってしまいそうな危険な場所だった。
そんなシチュエーションが魅惑的な9分強の短編。
やたらと皆さんが観ているので興味が湧きました。
Twitterでどなたかが紹介してバズったんですね。
パッと見、どう足掻いても壁面を登ることは出来なそうです。
カーブした部分に運良く引っ掛かっている形で、上に登ろうとすればするほど角度が急になっていきます。
というか、ほぼほぼ垂直といっても良いでしょう。
かといって下るという選択肢は有り得ない。
下は暗く、何が待ち受けているのか分からない、まさに「奈落」です。
まったく同じ壁面が対面にもあって、そこには誰かが落ちたのか、流れるような血の跡が残されていました。
そんなものを見てしまっては余計にパニクりますよね。
一体、女性はどうするのか？
個人的に、短編といえどオチは必要だと思うんですよね。
しかし、本作はどうなったかを明確には見せません。
オチ、つまり答えは観た者それぞれが決める・・・そんな感じでした。
でも、状況から察すると落ちてしまったのではないかと思えます。
女性のセリフもないので本当に状況が掴めないのですが、J・G・バラードの「コンクリート・アイランド」の様に事故か何か起きて落ちたのか、それともよくあるシチュエーションホラーの様に処刑方法か何かなのか？
意外と、下に落ちた方が助かる道だったりして。
逆に登りきれたら銃殺されたり（汗）
そういう話もどこかで読んだような気がします。
もはや想像するしかないので、そういった意味では自由度の高い作品ですね。
観た者それぞれが好き勝手に話を作るベースにもなり得ます。
どうやら、考察している方々の間で有力な説は「妊娠・中絶」のメタファーなのではないか？というもの。
なるほど、何となく理解は出来ます。
個人的には、女性を胎児に置き換えると途中で踏ん張っている状況に意味が生まれるかと思いました。
なにしろ、母親の体内にいたほうが現世に産まれ出るより遥かに楽ですからね。
何とか上へ戻ろう、戻ろうとする胎児もいるのではないでしょうか（汗）？
前世の苦しい記憶が残っていたりすれば尚更・・・（汗）
そんな風に、ふと想像してみました。
本作は、人によって千差万別なストーリーが、それこそ「生まれる」もの・・・
なのかもしれませんね。
YouTubeにて
