だんぷりん

プロミシング・ヤング・ウーマンのだんぷりんのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

観賞後、語らずにはいられない作品。
グレートギャッツビーや、ドライブ、私を離さないでの可愛くてふんわりしてる
キャリーマリガンを観たくて、
観た人は当然いないと思うが、彼女の見方が大きく変わった。
美しい彼女が絶妙に整えられていない
容姿にわざとしている所など、かなり緻密に計算されているのも見どころ。
1人のプロミシングウーマン(将来約束された有望な女性)の死によって
主人公キャシーの人生が大きく変わる。
これはただの復讐劇ではない。
あなたも私も無意識に加害者にも被害者にもなる可能性があるからだ。
ストーリーはアメリカンサイコの女版なのかなって思ってたけど、よりディープなテーマを扱っていた。 
冒頭から匂わせしていた、カラフルな爪先は、「嫌われ松子の一生」のあのシーンを思い出した。女の不幸話のベースの内容もちょっと似てるなと、、。
これは男女共に見たほうがいい。
被害者にも加害者にもならないために。
そして、世界中にいる被害者の心が1日も早く癒えるように。意識を変えることが大事なのです。

一瞬信じた彼氏のクソぶり。
そして娼婦は燃やされて当然のようにしてる医者の男。
女を物のように見てる世の中の男が胸糞悪い(ようは高学歴金持ちにある選民意識)。そして医者は命を救うのが使命じゃないのかよと。

女を踏み台にする男に最終天罰がくだってザマーミロだけど、ただ捕まるだけ?
主人公が殺されるなんて天国に行けるんだろか。だって彼女は親友をレイプされて自殺に追い込まれた。その犯人に殺されて燃やされるんだよ?それじゃ浮かばれない。
そして、「力では絶対に男には勝てない」女の無力さをここで表現している。
アメコミならこのシーンで悪役を退治するけれど、現実では敵わないのだ。

劇中の懐かしのブリトニーのtoxicやパリスヒルトンの曲が流れるけど、
彼女らも被害者であるのだ。
ただ懐かしくてこの曲好きだったなーと言う気持ちが最初沸くんですが、
ジワジワこれは
監督からのメッセージなのだと
気づいた瞬間はゾクっとした。

ブリトニーは自信の自由のために今闘ってる。
パリスヒルトンは恋人にセックステープを流された被害者だ。今でもネットに彼女ビデオが残っている。死ぬまで逃れられないのだ。

レイプ犯の彼氏はパリスヒルトンの曲でカラオケし、薬局で楽しげに踊っていたのは完全なる伏線。

色んなことが織り交ぜられてた。
全力で訴えてる映画久しぶりすぎた。

映画観て分からないって人Netflixドキュメンタリー『オードリーとデイジー』を観るといい。
確実にこれをオマージュしてるから。
だんぷりん

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