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プロミシング・ヤング・ウーマンのらのレビュー・感想・評価

3.8
全体的にきちんとエンタテイメント作品に昇華していて面白かった。ただそれだけでなく、モヤモヤ感の残るラストには「ただ安易には消費させまい」という製作者側の意志も感じる。

社会的な状況と風潮を反映して安易な"リベンジ"を提示して溜飲を下げさせるだけの作品には警戒してしまうのだけど(序盤は安易な悪意を提示しているようにも見えてかなり警戒した)、この作品はもう少し深いところにあるというか、全体を通してそういう短絡的なところは感じなかった。個人への怨恨というよりもむしろ、作品全体として示されるのは、性暴力を容認してしまう社会構造への警鐘。キッチュでポップなプロダクションデザインも効いているし、あえて使用している(?)ようなポップソングの使い方もユニーク。ブリトニースピアーズの「トキシック」のアレンジなんて奮えた。
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