ワタナベ

プロミシング・ヤング・ウーマンのワタナベのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ここ最近観ていた中では最も予想外の展開だった映画かもしれない。かなり悲しいというか苦しい結末でなんと書けばいいかわからないところだが、逆にこれが綺麗さっぱりハッピーエンドです!となっていたならばそれはそれで現実味もかっこよさもメッセージも無くなった見る価値のないものになっていた。つまり、最高にクールな終わり方だった。けれども…肯定はしたくない気持ちを持たされ続けられる。

この映画の発想部分がどこにあったのかが気になる。
この映画におけるメッセージやテーマを伝えたい!と発送されて作られたのか、起承転結の「転」にてこのような結末のエンディングを作りたい!という発想から作られたのか?
最近読んだシナリオ創作論では物語は「転」の発想を元に作ると上手くいくと書いてあった。おそらくここまで(演出的に)綺麗な終わり方をしているのであれば後者の考え方から作られているだろう。もしそうだとしても与えられたテーマがテーマだけに非常に重く、これを繋げることができる胆力と解像度に感動する。
まぁ解像度的な部分は僕にはわからないのだが…僕にとってはかなり無縁な世界というか、少なくともこれまででは知らない層の人達な気もする。
一方でテーマ的には僕も悪の一味に加担している可能性が高い。自分は胸を張って恥ずべき過去がないと言えるか?悪さをしている人間を間近に見た上でそれを何も止めようともせずに見ていないか?
…少なくとも「あの時はガキだったから」という言い訳はしない人間でありたいが。

そして音楽と映像はかなり大好きな感じ。
復讐相手をカウントする数字を画面に大胆に表示させる感じなども僕の好みというか、とても真似したくなる演出の仕方。彼女の決心と奇抜さがデザインに表れている。僕は強くてかっこいい女性が活躍する話が好きだが…これに関しては彼女は強かったのかな…どうだろうか。
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